ChatGPTなどの生成AIを会社で使えるようにしたものの、使っているのは一部の社員だけ。多くの社員は「何に使えばいいか分からない」「間違えるのが怖い」と、手を付けていない。生成AIの導入で、多くの会社がぶつかる壁です。
この壁を越えるために必要なのが社員向けのAI研修です。この記事では、中小企業が自社でできる生成AI研修の内容と進め方、定着させるためのコツを解説します。
研修で目指すゴール
AI研修のゴールは、AIの仕組みを詳しく理解することではありません。社員が、自分の仕事の中でAIを安全に使い、時間を減らせるようになることです。そのため、研修は座学よりも、自分の業務を題材にした実習を中心に組み立てます。
研修のカリキュラム例(合計約3時間)
| 内容 | 時間 | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 生成AIで何ができるか | 20分 | 文章作成・要約・アイデア出し・表の作成など、実演で見せる |
| 2. 社内ルールの説明 | 20分 | 入力してはいけない情報、出力の確認ルールを具体例で |
| 3. 指示の出し方の基本 | 30分 | 役割・目的・材料・形式を伝える書き方を練習 |
| 4. 自分の業務で実習 | 60分 | メール、議事録、報告書、企画書など、普段の仕事で試す |
| 5. 成果の共有 | 30分 | うまくいった使い方を発表し合う |
| 6. 次の1か月の目標 | 20分 | 「毎日〇〇に使う」と各自が決める |
指示の出し方の基本はChatGPTの使い方で、社内ルールは生成AIの社内ルールの作り方で解説しています。
研修を成功させる4つのポイント
1. 部署ごとの使い方を用意する
営業ならお礼メールや提案書の構成、経理なら関数の作り方や文章の確認、総務なら社内通知の作成など、部署ごとの具体例を用意すると、「自分にも使える」と感じてもらえます。部署別の例は中小企業のAI活用例12選も参考にしてください。
2. 「間違えることがある」と最初に伝える
AIの誤りを経験してから不信感を持つより、最初に「もっともらしく間違えることがある。だから人が確認する」と伝えておくほうが、正しく付き合えるようになります。
3. 社内に「詳しい人」をつくる
各部署に1人、AIに詳しい担当者を決め、困ったときに相談できるようにします。外部の研修を受けるのは、まずこの担当者だけでも十分です。
4. 使い方を共有する場をつくる
チャットツールに「AI活用」のチャンネルを作り、うまくいった指示の例や使い方を共有します。他の人の使い方を見ることが、いちばんの学びになります。
研修後の定着のさせ方
- 1か月後に振り返る:各自が決めた目標の達成状況と、減った時間を共有します。
- 指示文のテンプレートを集める:よく使う指示文を社内で共有し、誰でも使えるようにします。
- 経営者が使う:社長や管理職が日常的に使っている姿を見せることが、何よりの後押しになります。
個人の活用の次は、仕組みにする
研修で社員がAIを使えるようになると、「毎日同じ指示をAIに出している作業」が見えてきます。こうした作業は、社員がAIを操作するのではなく、AIが自動で動く仕組みにすることで、さらに時間を減らせます。詳しくはAIエージェントとは?をご覧ください。
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社員が毎日AIに頼んでいる作業を、自動で動く仕組みに。
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よくある質問
Q. 外部の研修会社に頼むべきですか?
社内に詳しい人がいない場合、最初の1回は外部に頼むのも有効です。ただし、自社の業務に合わせた実習ができるかを確認しましょう。一般的な内容だけの研修では、受講後に使われなくなりがちです。
Q. 研修費用に助成金は使えますか?
社員のスキルアップのための研修には、国の助成金が使える場合があります。対象や条件は年度ごとに変わるため、最新の情報を厚生労働省や労働局のサイトで確認してください。
まとめ
生成AIの社員研修は、社内ルールを伝え、指示の出し方を練習し、自分の業務で実習し、うまくいった使い方を共有する流れで組み立てると、受講後に使われる研修になります。研修のあとも、振り返りと共有の場を続けることで、AIは会社の当たり前の道具になっていきます。

