「経費精算の締め日はいつ?」「有給はどこから申請する?」「このお客さまの契約条件は?」。社内には、同じ質問が何度も行き交っています。答える側の総務・経理・ベテラン社員は、そのたびに手を止めて対応しなければなりません。
こうした社内の問い合わせに、AIが代わりに答える仕組みが社内FAQチャットボットです。この記事では、仕組みと導入の効果、中小企業が失敗しないための進め方を解説します。
社内FAQチャットボットとは
就業規則、マニュアル、過去の問い合わせの記録などをAIに読み込ませ、社員がチャットで質問すると、その資料をもとにAIが回答する仕組みです。以前のチャットボットは、あらかじめ登録した質問と答えにしか対応できませんでしたが、生成AIを使ったものは、聞き方が違っても資料の内容から答えを探して回答できます。
導入の効果
- 答える側の時間が減る:総務・経理・情報システム担当などへの同じ質問が減ります。
- 聞く側がすぐに解決できる:担当者の不在や時間外でも、その場で答えが分かります。
- 聞きにくいことも聞ける:新人や中途入社の社員が「今さら聞けない」ことを気軽に確認できます。
- 知識が属人化しない:ベテラン社員の頭の中にあった知識を、資料として残すきっかけになります。
向いている質問・向いていない質問
| 向いている | 向いていない |
|---|---|
| 就業規則・福利厚生の確認 | 個別の人事評価や給与の問い合わせ |
| 経費精算・申請の手順 | 例外の判断が必要な相談 |
| 社内システムの使い方 | ハラスメントなどの相談 |
| 商品・サービスの仕様の確認 | 資料に書かれていない最新の決定事項 |
導入の5ステップ
1. よくある質問を集める
総務や経理の担当者に、1か月間に受けた質問をメモしてもらいます。多い質問から順に対象にすると、効果が早く出ます。
2. 答えの元になる資料を整える
チャットボットの答えの質は、資料の質で決まります。古い規程、矛盾する手順書、担当者しか知らないルールを、この機会に整理しましょう。
3. 小さく始める
最初は「経費精算」「勤怠」など、1つの分野に絞って始めます。社員が普段使っているチャットツールの中で質問できるようにすると、使われやすくなります。
4. 答えられなかった質問を記録する
チャットボットが答えられなかった質問は、資料に足りない情報があるサインです。定期的に確認して資料を補います。
5. 担当者につなぐ道を残す
「この回答で解決しない場合は〇〇さんへ」と、人に相談できる道を必ず残しておきます。
注意点
- 閲覧権限:役員だけが見てよい資料や、個人情報を含む資料を読み込ませないこと。部署ごとに見られる範囲を分ける必要がある場合は、設計の段階で考えます。
- 間違いへの備え:AIはもっともらしく間違えることがあります。回答に参照した資料の名前を表示させ、重要な手続きは元の資料で確認するよう周知しましょう。
- 資料の更新:規程が変わったら、チャットボットが読む資料も更新する流れを決めておきます。
お客さま向けの問い合わせ対応の自動化は問い合わせ対応をAIで自動化する方法で解説しています。
※ 当サイトを運営する合同会社SAiのサービス紹介です
社内の資料をもとに答えるAIを、御社のチャットツールの中に。
合同会社SAiでは、御社の業務に合わせたAIエージェント・RPAをオーダーメイドで開発しています。初期費用0円・月額1万円〜・最短3日で導入でき、最低契約期間はありません。
よくある質問
Q. 社員数が少なくても効果はありますか?
社員数が少ない会社ほど、答える側の担当者が1人に集中しがちです。その1人の時間を守るという意味で、小さな会社でも効果があります。
Q. 社内の資料が外部に漏れる心配はありませんか?
入力したデータを学習に使わない法人向けのAIサービスを使い、アクセスできる人を社員に限定すれば、リスクを抑えられます。導入前に、データの保存場所と扱いを提供会社に確認しましょう。社内ルールの作り方は生成AIの社内ルールの作り方で解説しています。
まとめ
社内FAQチャットボットは、同じ質問に何度も答えている時間をなくし、社員が自分で解決できる環境をつくる仕組みです。よくある質問を集め、資料を整え、1つの分野から小さく始めることで、無理なく導入できます。

