経理、総務、人事、労務。中小企業のバックオフィスは、少ない人数で多くの仕事を抱えています。「経理担当が1人しかおらず、休むと月末の処理が止まる」「総務が何でも屋になっていて、本来の仕事が進まない」という会社も多いのではないでしょうか。
この記事では、バックオフィス業務を効率化するための考え方と、業務別の具体的な方法、進めるときの注意点を解説します。
バックオフィスの主な業務と、効率化しやすい部分
| 部門 | 主な業務 | 効率化しやすい作業 |
|---|---|---|
| 経理 | 請求・支払い・経費精算・記帳・月次決算 | 請求書の読み取りと入力、入金の消し込み、経費の確認 |
| 総務 | 備品管理・契約書管理・社内の問い合わせ対応 | 契約書の期限管理、社内の質問への回答 |
| 人事 | 採用・入退社手続き・評価 | 応募者の管理、面接日程の調整、入社書類の回収 |
| 労務 | 勤怠管理・給与計算・社会保険 | 勤怠の集計とチェック、給与計算ソフトへの取り込み |
効率化の3つの方法
1. やり方を見直す
紙の書類をやめる、押印をなくす、二重に入力している作業をなくす。ツールを入れる前に、まず手順そのものを見直しましょう。「前からそうしているから」続いている作業は、意外と多いものです。
2. クラウドサービスを使う
クラウド会計、勤怠管理、給与計算、電子契約などのサービスを使うと、手作業の多くがなくなります。複数のサービスをデータでつなげると、勤怠から給与計算、給与から会計への入力も自動化できます。選び方は業務効率化ツールの選び方をご覧ください。
3. AIとRPAで「すき間」をつなぐ
クラウドサービスを入れても、「メールで届いた請求書を会計ソフトに入力する」「勤怠のおかしな打刻を確認する」「社員からの質問に答える」といった作業は残ります。こうしたサービスとサービスのすき間や、読んで判断する作業は、AIエージェントやRPAで自動化できます。
業務別・効率化の例
経理:請求書の処理
メールやPDFで届いた請求書をAIが読み取り、取引先・金額・支払期日を会計ソフトに入力。支払予定の一覧を自動で作ります。詳しくは請求書処理の自動化で解説しています。
総務:社内の問い合わせ対応
「有給の申請方法は?」「交通費の精算はどうすれば?」といった社員からの質問に、就業規則やマニュアルをもとにAIが答えます。総務担当者が同じ質問に何度も答える時間がなくなります。
人事:入社手続き
入社予定者への書類の案内、提出状況の確認、未提出者へのリマインドを自動化します。
労務:勤怠のチェック
打刻漏れ、長時間労働、休憩時間の不足などを自動で検出し、本人と上司に知らせます。給与計算の前の確認作業が大きく減ります。
進めるときの注意点
- 属人化した業務を先に見える化する:担当者の頭の中にしかない手順は、まず書き出してもらいましょう。自動化の前提になるだけでなく、担当者が休んだときの備えにもなります。
- 担当者の不安に配慮する:「自分の仕事がなくなるのでは」という不安には、浮いた時間で取り組んでほしい仕事を一緒に伝えます。
- 法令に関わる部分は専門家と確認する:給与計算や社会保険、電子帳簿保存法などは、税理士や社会保険労務士と相談しながら進めましょう。
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よくある質問
Q. 経理担当が1人しかいません。何から始めればいいですか?
まず、毎月の作業を一覧にし、それぞれにかかっている時間を書き出してもらいましょう。時間が長く、手順が決まっている作業(請求書の入力や入金の消し込みなど)から自動化すると、効果を実感しやすくなります。
Q. 外部に委託するのと自動化するのと、どちらがいいですか?
給与計算や記帳のように専門知識が必要で、手順が標準化されている業務は委託が向いています。自社独自のルールが多い業務や、社内のシステムをまたぐ作業は、自動化のほうが向いていることが多いです。
まとめ
バックオフィスの効率化は、やり方の見直し、クラウドサービスの活用、AIとRPAによるすき間の自動化の3段階で進めると効果的です。少ない人数で回しているバックオフィスほど、1つの作業がなくなるだけで、会社全体に余裕が生まれます。全体の進め方は中小企業のDXの進め方もご覧ください。
